建築法令豆知識[詳細説明文]


一級建築士[いっきゅうけんちくし]

建設大臣の行う一級建築士試験に合格し、建設大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて建築物の設計や工事監理などの業務を行う者をいう。

学校・病院・劇場・映画館・百貨店などで延べ面積が500uを超えるもの、木造の建築物で高さが13m、または軒高が9mを超えるものおよび木造2階建て以上で、1000uを超えるものは、一級建築士でなければ設計または工事監理はできない。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


外壁後退[がいへきこうたい]

第1種・2種低層住居専用地域で、外壁の後退距離の限度を都市計画で定めた場合、指定の距離以上外壁等を後退して建築しなければならないこと(法54条)。

(1)外壁の後退距離とは、建築物の外壁またはこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離をいう(法54条1項かっこ書)。つまり、軒、庇などは対象とならない。

(2)外壁の後退距離の限度は、1.5mか1mのいずれかを都市計画で定める(法54条2項)。

(3)外壁後退の制限は次の(イ)(ロ)のいずれかに該当する場合は緩和される(法54条1項、令135条の5)。

(イ)外壁の中心線または外壁に代わる柱の中心線の長さの合計が3m以下(同令1号)。
(ロ)物置(下屋の場合も含む)、附属の自動車車庫・自転車置場等で、軒高2.3m以下かつ床面積合計5平方メートル以内(同令2号、昭58住街発17)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


北側斜線[きたがわしゃせん]

5m(10m)を超える建築物の各部分の高さを、隣地境界線等からの真北方向の距離に比例して制限し、北側隣地から斜めの線で建築可能範囲を規定するもの。

(1)建築物の各部分の高さは、第1種・2種低層住居専用地域では、道路の反対側の境界線または隣地境界線からの、真北方向の距離の1.25倍に、5mを加えた数値以下としなければならない(法56条1項3号)。第1種・2種中高層住居専用地域では同じく10mを加える。

(2)真北方向とは磁北ではなく、地理上の北極

(3)制限は地盤面からの高さで、階段室等の屋上部分も、むね飾等を除き、条件にかかわらず高さに算入される。

(4)敷地が2以上の地域等にわたる場合、建築物の各部分の高さは、その部分の属する地域等の制限を受ける(法56条5項)。

(5)敷地が北側で水面、線路敷等(公園、広場は含まない)に接する場合、隣地境界線は水面等の幅の1/2だけ外側にあるとみなす(法56条6項、令135条の4第1項1号)。

(6)敷地の北側の前面道路の反対側に、水面、線路敷等(公園、広場は含まない)がある場合、前面道路の反対側の境界線は水面等の幅の1/2だけ外側にあるとみなす(同上)。

(7)敷地の地盤面が北側隣地の地盤面(隣地に建築物がない場合は平均地表面)より1m以上低い場合、敷地地盤面はその高低差から1mを減じた値の1/2だけ高い位置にあるとみなす(法56条6項、令135条の4第1項2号)。

(8)敷地の地盤面が北側前面道路の反対側の隣接地の地盤面(隣接地に建築物がない場合は平均地表面)より1m以上低い場合、敷地地盤面はその高低差から1mを減じた値の1/2だけ高い位置にあるとみなす(同上)。

(9)特定行政庁の許可により計画道路または予定道路を前面道路とみなす場合、計画道路等内の隣地境界線はないものとみなす(法56条6項、法68条の7第1項、令135条の4第1項3号)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


建ぺい率[けんぺいりつ]


敷地面積に対する建築面積の割合(法53条1項)。

(1)同一敷地内に2以上の建築物がある場合は、高度利用地区を除き、建築面積の合計(法53条1項かっこ書)。

(2)建ぺい率は、用途地域等に応じて定められた数値(法53条1項1〜4号)以下としなければならない(法53条1項)。

(3)敷地が制限の異なる地域・区域にわたる場合、建ぺい率は、地域等ごとの面積比による加重平均で算定する(法53条2項)。
この場合、次の(4)(ロ)の角敷地の緩和は、敷地全体に及ぶ。
また、建ぺい率制限を受けない区域にわたる場合、受けない部分を10/10として加重平均する。

(4)次の(イ)(ロ)のいずれかに該当するものは、建ぺい率の最高限度に1/10加算され、両方に該当すれば2/10加算される(法53条3項)。

(イ)近隣商業・商業地域以外で、防火地域内にある建築物(同項1号)。
(ロ)角敷地または角敷地に準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物(同2号)。

(5)次の(イ)〜(ハ)のいずれかに該当すれば建ぺい率制限は適用されず、建ぺい率100%が可能となる(法53条4項)。

(イ)近隣商業・商業地域内で、防火地域内にある耐火建築物(同項1号)。
(ロ)巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊等の建築物(同2号)。
(ハ)公園、広場、道路、川等内にある建築物で、安全・防火・衛生上支障がないもの。

(6)敷地が防火地域内の内外にわたる場合、敷地内の建築物がすべて耐火建築物であれば、敷地はすべて防火地域内にあるものとみなして、上記(4)(イ)・(5)(イ)が適用される(法53条5項)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


建築面積[けんちくめんせき]

「建築物(地階で地盤面上1m以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離1m以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離1m後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。

ただし、建設大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離1m以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない」(令2条2号)。

(1)高い開放性を有すると認めて指定する構造とは、

(イ)外壁を有しない部分が連続して4m以上、
(ロ)柱の間隔が2m以上、
(ハ)天井高が2.1m以上、
(ニ)地上階数1等にすべて該当するもの(平5告示1437)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


市街化区域[しがいかくいき]

「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」(都市計画法7条2項)

株式会社カク企画設計|HOME│ 


市街化調整区域[しがいかちょうせいくいき]

「市街化を抑制すべき区域」(都市計画法7条3項)で、開発される可能性はあるが、
開発構想や市街化のための公共投資計画が未定の地域であり、
開発は当分の間見合せる地域とされる。

(1)市街化調整区域内でも、特定行政庁が都市計画地方審議会の議を経て指定する区域には、容積率・建ぺい率などを規制でき、条例で日影規制を適用できる(法52条1項・法53条1項・法56条の2第1項)。

(2)一定の区域では地区計画を定めることもできる(すべての事項に知事の承認が必要)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


接道義務[せつどうぎむ]

建築物の敷地は、原則として建基法上の道路に2m以上接しなければならないこと(法43条1項)。
この場合、法42条に該当する建基法上の道路であっても、高速道路(高速自動車国道)、特定高架道路等で地区計画・再開発地区計画内にあるものは、道路内の建築制限(法44条1項)の場合を除き、道路とみなされない(法43条1項1・2号)。

(1)接道義務の例外として、「建築物の周囲に広い空地があり、その他これと同様の状況にある場合で、安全上支障がないとき」は、接道長さは緩和される(法43条1項ただし書)。

(2)接道義務は、次の建築物に対して条例で制限を附加できる。

(イ)特殊建築物。
(ロ)階数3以上の建築物。
(ハ)採光上の無窓居室または排煙上の無窓居室のある建築物。
(ニ)延べ面積1000平方メートル(同一敷地内に2以上の建築物がある場合はその合計)を超える建築物。

(3)敷地の接道長さは、1箇所の長さであり、敷地が道路に複数箇所で接していても、各箇所の合計ではなく、そのうちの1つが2m以上なくてはならない。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


特定行政庁[とくていぎょうせいちょう]

建築基準法の行政事務の具体的な執行を国から委任された地方公共団体の長。建築主事を置く市町村の区域は市町村長が、建築主事を置かない市町村の区域は都道府県知事が特定行政庁となる(建基法2条30号)。

(1)建基法は国の行政事務であるが、具体的な執行は地方公共団体の機関に委任する方法が取られおり(機関委任事務)、特定行政庁が建築行政の中心的な主体といえる。

(2)特定行政庁は建築基準行政事務の総括責任者である建設大臣の指揮監督に服し、建築主事・建築監視員などの職員を指揮監督するが、建築主事の権限とされている確認審査などの事務を代わって執行することはできない。ただし、建築主事の違法な職務執行による損害賠償の請求については、建築主事が属する地方公共団体が被告となる(国家賠償法1条1項)。

(3)人口25万以上の政令で指定された市は、必ず建築主事を置かなければならず、その他の市は市町村の判断にゆだねられている。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


延べ面積[のべめんせき]

建築物の各階の床面積の合計をいう(令2条1項4号)。

(1)容積率制限における延べ面積は、同一敷地内に2以上の建築物がある場合、それぞれの建築物の延べ面積の合計となる(令2条3項かっこ書)。

(2)容積率制限における延べ面積は、建築物に自動車・自転車の停留・駐車の施設がある場合、その部分の床面積は、同一敷地内のすべての建築物の各階の床面積の合計の1/5まで、延べ面積に算入されない(令2条1項4号ただし書・3項)。

(3)容積率の算定において、住宅(共同住宅・長屋含む)の地下室は、住宅床面積の1/3を限度に、延べ面積に算入しない。
すなわち、建築物の地階で、天井が平均地盤面からの高さ1m以下にある住宅の用に供する部分は、建築物の住宅部分(自動車車庫等は含まない)の床面積の1/3までは延べ面積に算入しない(法52条2項)。「住宅地下室容積率不算入制度」とも呼ばれる。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


みなし道路[みなしどうろ]

法第3章の規定が適用された時点(基準時)に、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満(6m区域は6m未満)の道で、特定行政庁が原則的に一方的に指定したもの(法42条2項)。
「2項道路」とも呼ばれ、建基法上の道路とみなされる。

(1)「みなし道路」は、道路中心線から両側に水平距離2m(6m区域は3m)ずつ振り分けた線を道路境界線とみなす。
片側ががけ地・川等の場合は、それらの境界線から敷地側に水平距離4m(6m区域は6m)の線となる。

(2)「みなし道路」にある既存建築物は、既存不適格建築物となり(法3条2項)、指定後に増リフォーム等をする場合は、道路内の建築制限が適用されるので、道路とみなされる部分から後退しなければならない(法3条3項3・4号、法44条)。

(3)幅員が1.8m未満の道を「みなし道路」に指定する場合は、あらかじめ建築審査会の同意を得なければならない(法42条6項)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


未線引き[みせんびき]

都市計画区域に、市街化区域と市街化調整区域に関する都市計画が定められていないこと。
都市計画図で市街化区域と市街化調整区域の境界を線で示すことから、未だ線が引かれていない、つまり両区域に区分されていないことを表す。

(1)未線引きの区域を「未線引都市計画区域」と呼び、未線引都市計画区域は「用途地域指定区域」「用途地域の指定のない区域」(白地地域と呼ぶ)に分けられる。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


床面積[ゆかめんせき]

建築物の各階またはその一部で、壁、扉、シャッター、手すり、柱などの区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(令2条3号)。

(1)屋外部分とみなされる部分は、屋外観覧席を除き、床面積に算入しない(昭39・住指発26号)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


用途地域[ようとちいき]

地域地区の1つで、次の(1)の12種類の地域があり、法48条・法別表第2等により地域ごとに建築の可否が定められているほか、
容積率建ぺい率高さ斜線日影有効採光部分の算定外壁後退の各規定が用途地域にかかわってくる。

(1)用途地域の種類
第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域。

(2)法別表第2において、第1・2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域は「建築できる用途」、それ以外の地域は「建築できない用途」を挙げて規制しているが、
法48条のただし書規定により、特定行政庁が許可した場合等は緩和される。

(3)用途地域は「市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする」(都市計画法13条1項2号)とされている。
線引きされていない、つまり市街化区域と市街化調整区域に区分されていない都市計画区域(未線引都市計画区域)については、必要に応じて用途地域を指定することができる。

(4)用途地域が指定されている区域が市街化調整区域となる場合、用途地域の指定を取り消すことになるが、一定の特別の事情がある場合は、用途地域の存続が認められている(昭和44都計発102)。

株式会社カク企画設計|HOME│ 


容積率[ようせきりつ]

建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(法52条1項)。

(1)容積率は前面道路幅員が12m以上の場合は指定容積率、12m未満の場合は指定容積率と基準容積率の、いずれか厳しい方の数値が限度となる(法52条1項)。

(2)みなし道路は、道路中心線から2m(6m区域は3m)後退した位置が道路境界線になるので、実際の道幅が4m未満でも、容積率算定のための前面道路幅員は4m(同6m)となる。

(3)幅員6m以上12m未満の前面道路が特定道路に接続し、特定道路から敷地までの距離が70m以内の場合、前面道路幅員にその距離に応じた「みなし幅員」を加えて容積率を算定できる(法52条5項、令135条の4の4)。

(4)敷地が制限の異なる2以上の地域・区域にわたる場合、地域等ごとの敷地の面積比による加重平均で容積率を算定する(法52条4項)。地域等ごとの容積率は、指定容積率と基準容積率の、いずれか厳しい方の数値となる。

(5)住宅の用に供する一定の地下室(法52条2・3項)、計画道路(同6項)、壁面線(同7〜9項)がある一定の場合、容積率制限の緩和措置がある(「延べ面積」「計画道路」「壁面線」の項参照)。

(6)次の(イ)(ロ)のいずれかに該当し、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可した場合、許可の範囲内で容積率の限度を超えることができる(法52条10・11項)。

(イ)機械室等の床面積が延べ面積に対して著しく大きい建築物で一定の場合。具体的には昭和60年住街発114号の許可準則に示される中水道施設やコージェネレーション施設などで、緩和は基準容積率の1・25倍を限度とされる。また、ハートビル法に適合する一定の建築物もこの緩和の対象となる(平7告示814、平7住街発70)。
(ロ)敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物。

(7)容積率の限度を超える既存不適格建築物の増リフォームは、次の(イ)〜(ハ)をすべて満たす場合に可能となる(法86条の2、令137条の5)。

(イ)増リフォーム後の用途を自動車車庫等とすること。
(ロ)増築前に、基準時以降自動車車庫等以外の床面積が増えていないこと(ハ)増リフォーム後の自動車車庫等の床面積が、増リフォーム後の建築物の床面積の1/5以下であること。ただし、リフォームで、基準時に自動車車庫等の床面積が建築物の床面積を超えている場合は、その数値以下。

株式会社カク企画設計|HOME│