長期優良住宅法の認定基準は、品格法の評価ツールである住宅性能表示制度です。
そこに盛り込まれた「建物の長寿命化」に関わる「構造の安定」部分が基本となってます。
品格法による耐震等級の計算の手順についての頁を作ってみました。
- 目標等級を決め流れを把握する
- 記号と床面積の算出
- 4分割の面積の取り方を把握する
- 必要壁量を求める
- 存在壁量≧必要壁量の確認
- 耐力壁線の設定
- 水平構面の床区画の設定
- 必要床倍率の算定
- 存在床倍率の算定
- 平均存在床倍率≧必要床倍率の確認
健忘禄としてメモ帳代りに利用するために作ってますので、自分中心に作成しております。
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品格法による計算は、建築基準法施行令第46条(以下令46条)の計算に比べて複雑、まず、建てる住宅の情報を整理し、流れを把握しましょう。
建物の概要や目標等級の情報を整理をする
- 目標とする耐震等級、耐風等級を決める。
- 耐震等級は、長期優良住宅の場合→2か3を採用する
- 耐風等級は、長期優良住宅の場合→2を採用する
- 建物概要の整理する。
- 階別床面積、延べ面積、最高の高さ、最高の軒高
- 屋根仕上げ
- 外壁仕上げ
- 平面図に通り番を記入する。
- 通り芯は、壁のあるところだけ記入していきますが、
X通り、Y通りプレカット図と同じように、モジュールのピッチ全てに通り番を記入します。
通り番は右上がりを上がり番、右下がりを下がり番といいますが、任意でどちらでも結構でが、
一貫して統一しましょう。
91pモジュール |
1mモジュール |
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モジュールとは
設計の基本となる基準寸法です。
日本には昔から半間(3尺)=91pというモジュールがあります。
現在でも一般的なモジュールは91pですが、
余裕を持たせた間取りにするために1mモジュールも多く採用されています。
半間=91pのモジュールを1mにすると、
たとえば廊下やトイレの内法幅が、
78pから87pと9p広くなるメリットがあります。
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品格法のチェックの流れ
1 壁量計算は、準耐力壁を含めない、令46条の壁量を満たしていることが、
その次のステップ準耐力壁を加えて品格法の目標等級を満たしている かへ進める条件です。
チェック項目 |
耐震等級2 |
耐風等級2 |
耐震等級3 |
品格法のチェック |
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1 壁量計算
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品格法の壁量
・令46条の壁量を満たしているかを確認
・準耐力壁を加えて品格法の目標等級を満たしている かを確認 |
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2 壁の配置
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令46条の壁の配置 ・各階で1/4のバランスをチェックする |
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3 床倍率
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床倍率
・耐力壁線間距離の確認 筋違いの場合は8m以下
・存在床倍率が目標等級を満たしているかを確認 |
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4 接合部
説明は省略
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品格法の接合部
・令46条の接合部 ・胴差しと通し柱の接合部
・床、屋根の外周横架材の接合部
※計算ではなく仕様規定により決まります。 |
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5 基礎 説明は省略
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品格法の基礎
・基礎形式ごとに負担荷重や地震力、上部耐力壁、間口に 応じて、
必要な仕様をスパン表から求める
※計算ではなく仕様規定により決まります。 |
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6 横架材 説明は省略
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横架材
・負担する荷重や横架材間、長さに応じ必要な断面寸法を スパン表から求める
※計算ではなく仕様規定により決まります。 |
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記号リスト
品格法による耐震等級の計算では、たくさんの記号がでてきます。主な記号は下図です。
記号リスト
名称 |
単位 |
説明 |
備考 |
S1 |
u |
品格法にもとづく1階床面積 |
令46条と求め方が違う |
S2 |
u |
品格法にもとづく2階床面積 |
令46条と求め方が違う |
Z |
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地域地震係数 |
福岡の値:0.8Z |
Vo |
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地域基準風速 |
福岡の値:34m/S |
CW |
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風力係数 |
風圧力の係数CW換算表 |
K1 |
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1階の壁量(または床倍率)を求める係数 |
K1=0.4+0.6×Rf |
K2 |
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2階の壁量(または床倍率)を求める係数 |
K2=1.3+0.07/Rf |
Rf |
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1階と2階の割合 |
S2/S1 |
必要壁量は、単位面積あたりの必要壁量×床面積で求めるのですが、
まず、床面積を求めます。
品格法にもとづく、床面積「S1」「S2」は、令46条の床面積の求め方とは違うので要注意。
具体的には、「持出しバルコニー」「ポーチ」「オーバーハング」「吹抜」の面積算入が違います。
下図を参照して、必要壁量を求めるための床面積を求めます。
@ 持出しバルコニー、玄関ポーチ、オーバーハング、吹抜が加算される
建築基準法では、床面積に含まれない、「持出しバルコニー」「ポーチ」「オーバーハング」「吹抜」が
面積に含まれる。
ただし、「持出しバルコニー」は荷重が小さいので、バルコニー面積に0.4を乗じた数値を「S1」に加える。
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A 小屋裏物置
- 階の床面積の1/8以上の小屋裏物置等があれば、
壁量の算定の際、aを加算する
- a=(h/2.1)×A
- h:物置の内法高さの平均値
- A:物置の水平投影面積
小屋裏物置に関しては、令46条も同様である。
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4分割面積とは、壁量の釣り合いをみるために算出する面積ですが、
これも、品格法による算出方法と、令46条の場合とは違います。
「持出しバルコニー」「ポーチ」「オーバーハング」「吹抜」があるときは要注意です。
品格法にもとづくバランスチェックのための4分割面積を求める
@ バルコニー
- 壁配置チェック時の4分割時に面積は考慮するが、寸法は考慮しない
- バルコニーの床面積に0.4を乗じた数値を1階床面積に加える
1階X軸方向 |
1階Y軸方向 |
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北床面積=S北
南床面積=S南+(Sb×0.4) |
東床面積=S東+(Sb/4×0.4)
東床面積=S東+(Sb/4×0.4) |
A オーバーハング
- 壁配置チェック時の4分割時にもオーバーハングを考慮する
- 上記バルコニーと違い、オーバーハング部分に床があるものとし1/4の範囲を求める
1階X軸方向 |
1階Y軸方向 |
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B 吹抜
- 壁配置チェック時の4分割時にも吹抜を考慮する
- 上記バルコニーと違い、バルコニー部分に床があるものとし1/4の範囲を求める
1階X軸方向 |
1階Y軸方向 |
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品格法による、4分割面積の算出方法をふまえて、
壁量が釣り合いよく配置されているかどうかのチェックをおこわなければなりませんが、
チェック方法は、お馴染みの令46条の方法と同じなので、ここでは省略します。
なお、
壁量の釣り合いチェックに関してですが、準耐力壁を加えた壁量を用いてチェックしても良いし、
今までどおり、耐力壁のみの壁量でチェックしても良いことになってます。
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まず最初に、計算に用いる記号の値を求める
ここからは、本計算になるのですが、記号がたくさん出てまいります。
1番から順に値を求めていきます。
なお、記号の値は、計算による場合と、Z:地域地震係数 や、Vo:地域基準風速のように決められた数値があります。(Z、Voはご自身でお調べ下さい)
- Z:地域地震係数
- 福岡の場合は0.8だが、予測地域以外でも大きな地震が発生しているので1.0が望ましい
- Vo:地域基準風速
- 福岡の場合は34m/s
- S1:品格法による1階床面積
- 品格法にもとづく床面積「S1」「S2」を求める参照
- S2:品格法による2階床面積
- 品格法にもとづく床面積「S1」「S2」を求める参照
- Rf:S1とS2の割合
- Rf=S2/S1
- K1:1階必要壁量の係数
- K1=0.4+0.6×Rf
- K2:2階必要壁量の係数
- ・K2=1.3+0.07/Rf
地震は地域と屋根の重さに影響されます。
地震力に対する必要壁量を求めるには、まず、床面積に乗ずる係数(単位面積あたりの必要壁量)を求めます。
その後、その値に床面積「S1」「S2」を乗じた値が地震による必要壁量です。
この値は、必要床倍率を求める値にも利用します。
@各階の床面積に乗ずる係数(単位面積あたりの必要壁量)を求める
- 2階建の1階
- 床面積に乗ずる係数(単位面積あたりの必要壁量)=A×K1×Z
- 2階建の2階、平屋
- 床面積に乗ずる係数(単位面積あたりの必要壁量)=A×K2×Z
記号Aは屋根による係数(下表は一般地域のみです。多雪地域はお調べ下さい)
記号K1、K2はまえもって求めておきましょう。
Aの屋根による係数 一般地域(単位はp/u)
軽い屋根 |
等級2 |
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等級3 |
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重い屋根 |
等級2 |
|
|
等級3 |
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A各階の地震力に対する必要壁量を求める
- 1階の地震力に対する必要壁量=(単位面積あたりの必要壁量)×S1
- 2階の地震力に対する必要壁量=(単位面積あたりの必要壁量)×S2
風圧力に対する必要壁量を求める
見附面積の算出方法は、令46条と同じですので省略します。
見附面積に乗じる係数は令46条の一律50p/uと違うので注意して下さい。
品格法の見附面積に乗じる係数(p/u)
地域基準風速Vo |
30 |
32 |
34 |
36 |
38 |
40 |
42 |
44 |
46 |
等級2の係数 |
53 |
60 |
67 |
76 |
84 |
93 |
103 |
113 |
123 |
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必要な壁量が求まったら、今度は、建物にどれだけの耐力壁があるかの存在壁量を求めます。
品格法の壁量計算では、令46条で用いない、雑壁でも条件に合致すれば、
準耐力壁等として壁量計算に入れて良いことになってます。
これにより、過大な耐力壁増加がなくなります。まず、準耐力壁とは何かを良く理解しましょう。
準耐力壁等の定義とは
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準耐力壁の条件
- 横架材や枠材に上下の辺が釘打ちされてなくても良く、柱・間柱・縦枠に釘打ちされている
- 材料が直接釘打ちされている
- 材料の最小幅は90p以上
- 材料の高さが一続きで横架材間の内法寸法80%以上ある
- 構造用合板・石膏ボード等の面材である
|
準耐力壁の壁倍率算定式
壁倍率=H1/横架材間内法×面材の壁倍率×0.6
垂れ壁、腰壁の条件
- 柱・間柱・縦枠に釘打ちされている
- 材料が直接釘打ちされている
- 材料の高さが一続きで横架材間の内法寸法80%未満しかないもの
- 両側に、同種の材料による耐力壁、または準耐力壁がある
- 材料の高さが一続きで36p以上ある
- 材料の横幅が一続きで90p以上かつ2m以下である
垂れ壁、腰壁の壁倍率算定式
壁倍率=(H2+H3)/横架材間内法×面材の壁倍率×0.6
令46条の計算では、耐力壁は、横架材と両側の柱の四周に釘打ちしなければなりませんでしたが、
品格法の準耐力壁では、四周打ちする必要はなく、川の字打ちでもOKです。
存在壁量を求める
品格法による存在壁量 は下式で求めます。
存在壁量=令46条の耐力壁+品格法の準耐力壁等
存在壁量≧必要壁量を確認する
存在壁量が求まったら、存在壁量≧必要壁量を確認します。
一般の計算では、地震と風圧の大きい方で判定をおこなうが、品格法では両方判定します。
▲TOP
耐力壁線とは、後に計算で、出てくる床倍率算定において必要な項目です。
耐力壁線の条件を整理し◎か○か×の印を付ける
下記のような条件で、耐力壁線をX通り、Y通りそれぞれチェックしていき、◎か○か×の印を平面図に付けていきます。
最外周線は、なるべく◎の条件を満たすようにして下さい。でないと、後で出てくるα係数がとても厳しくなります。
- 耐力壁線の条件に◎を付ける
- その通りの存在壁量≧その通りの床の長さ×0.6かつ
- その通りの存在壁量≧400p以上
- 最外周線で◎の条件を満たさないものに○を付ける
- 上記、@、Aを満たさない通りには×を付ける
最外周線と床の長さとは
上記の耐力壁線の条件にその通りの床の長さ×0.6とありますが、
その床の長さとはなんでしょう?意味を理解するより、パターンで覚えましょう。
床の長さの取り方は、条件により違いますのでパターン別に判断します。
合わせて、最外周線の取り方も下のパターン別に判断して下さい。
パターン1 |
|
|
- 床の長さ:通りに直交する2本の外壁線間
- A通りは、
端から端が外壁線に接しているので最外周線
|
パターン2 |
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|
- 床の長さ:最も離れた外壁線間
- A通りは、
端から端が外壁線に接しているので最外周線
|
パターン3 |
|
|
- 床の長さ:最も離れた外壁線間
- A通りは、
外壁線に接していないので最外周線とはならない
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パターン4 |
|
|
- 床の長さ:最も離れた外壁線間
- A通りは、
建物内を貫通しているので最外周線とはならない
|
パターン5 |
|
|
- 床の長さ:最も離れた外壁線間
- A通りは、
建物内を貫通しているので最外周線とはならない
|
存在壁量の合算
耐力壁線の条件に満たなくても、合算という手法を使えば、その通りは耐力壁線にすることができます。
耐力壁線間隔が広くなりすぎた場合は、合算しましょう。
これは、概念的な合算で、いまいち理解しずらいかもしれませんが、
合算により耐力壁線になる場合はできるだけ合算しましょう。
後の、床倍率計算において、有利になります。合算の条件は下です。
- 1m以内にある両側の耐力壁、準耐力壁の通り
- 存在壁量の多い通りに、少ない通りの存在壁量を合算する
- ◎の条件を満たす通りはそれ以上合算できない
耐力壁間線距離の確認
耐力壁線間距離を確認します。
NGの場合は、存在壁量を合算するとか、耐力壁を増やして、耐力壁線を増やして下さい。
▲TOP
水平構面とは、上階から伝わってきた水平荷重を下階の耐力壁・準耐力壁等に安全に伝達するために
必要な構面です。
それらの耐力が、満たされているかを壁量計算と同じように、必要床倍率≧存在床倍率の確認をします。
水平構面の構成
水平構面は「1階の水平構面」と「2階の水平構面」があり、
さらに、1階の水平構面は「2階床構面」+「2階火打構面」により構成され、
2階の水平構面は「屋根構面」+「小屋床構面」+「小屋火打構面」で構成されています。
床区画の設定
必要床倍率を求める準備として、床区画を設定します。
床区画とは、耐力壁線に挟まれた区画のことです。
X方向、Y方向それぞれで設定し、「壁線方向距離L」と「耐力壁間距離l」を設定します。
- 壁線方向距離L
- 床区画をチェックする方向の長さ
- 耐力壁間距離l
- 床区画をチェックする方向と直交する幅
床区画X方向の場合 |
床区画Y方向の場合 |
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必要床倍率に反映する係数αを求める
係数αとは、上下階で耐力壁線の位置がずれていると、地震の時に水平剛性が確保しにくい為に、
必要床倍率を補正する係数です。
係数αは、図面に描き込んだ◎、○の印をもとに下表に照らし合わせて求めます。
求めたα値を上の図のように、図面に記入します。
耐力壁線の条件 |
両側が◎ |
片側が○ |
2階建の2階
平屋 |
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床区画の上に
耐力壁線が無い |
|
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床区画の上に
耐力壁線がある |
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▲TOP
必要床倍率を求める
@地震力に対する必要床倍率を求める
地震力必要床倍率=α×耐力壁線間距離l×※単位面積あたりの必要壁量/200
- ※単位面積あたりの必要壁量は、床面積に乗ずる係数(単位面積あたりの必要壁量)として、算出済
|
|
計算例-1
1×3.64×(22×1.3799×1)/200=0.553
↑
単位面積あたりの必要壁量の値例 |
計算例-2
1×2.73×(22×1.3799×1)/200=0.414
↑
単位面積あたりの必要壁量の値例 |
風圧力の場合と異なり、地震の計算の場合は、壁線方向距離Lは関係ありません。
また、実際の計算の場合は、共通する、品格法単位あたり壁量/200の部分を先に計算しておき、
その値をそれぞれの床区画計算に割り当てる方が、計算は効率的です。
A風圧力に対する必要床倍率を求める
風圧力に対する必要床倍率=α×(耐力壁線間距離l/壁線方向距離L)×風圧力の係数CW
風圧力の係数CW換算表
地域基準風速Vo |
30 |
32 |
34 |
36 |
38 |
40 |
42 |
44 |
46 |
平屋 |
0.75 |
0.84 |
0.94 |
1.07 |
1.18 |
1.31 |
1.45 |
1.59 |
1.73 |
2階建 |
1階 |
1.49 |
1.68 |
1.88 |
2.13 |
2.36 |
2.36 |
2.89 |
3.17 |
3.45 |
2階 |
0.75 |
0.84 |
0.94 |
1.07 |
1.18 |
1.18 |
1.45 |
1.59 |
1.73 |
▲TOP
存在床倍率とは、仕様や納まりをもとに、水平構面がどの位の強さを持つかを倍率で表したものです。
「床構面」「屋根構面」「火打構面」と求め方が違いますが、
ここでは、まず、「床構面」を求めます。
床仕様ごとに存在床倍率を整理する
- 耐力壁線を記入した図面に、床仕様の区分を色分けする
- それぞれの仕様をもとに、床倍率換算表により、存在床倍率を選択し、図面に記入する
- 吹抜と、階段室は存在床倍率は0(構造計算とは違うので注意)
床・屋根構面の存在床倍率を求める換算値は仕様により決められた表がありますが、省略致します。
床区画ごとに存在床倍率を求める
存在床倍率は、異なる床仕様が耐力壁線に対してどのような方向や形状で区分されているかで、
計算方法が異なります。
計算は、下記のパターンに当てはめてそれぞれの床区画ごとに求めていきます。
床区画が1つの仕様
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床区画が直交する線で区分されている場合
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|
そのままの床倍率で良い
床区画の平均存在床倍率=床区画の存在床倍率f1 |
それぞれの直交小区画の存在床倍率を平均する
床区画の平均存在床倍率=(f1×L1+f2×L2)/L |
|
床区画が平行する線で区分されている場合
|
床区画が直交する線で区分されている場合
|
|
|
存在床倍率は、そのうちの最も小さい値を採用する
床区画の平均存在床倍率=床区画の最も小さい値 |
先ず、直交小区画を求める
床区画の平均存在床倍率=(f1×L1+f2×L2)/L
存在床倍率は、そのうちの最も小さい値を採用する
床区画の平均存在床倍率=床区画の最も小さい値 |
屋根構面も上記のやり方で求めていきますが、ほとんどが「床区画が1つの仕様」に当てはまると思います。
ちなみに、屋根構面は、軒の出は除外します。
火打構面の存在床倍率を求める
火打構面の存在床倍率は、まず、「火打1本当りの負担面積」を求めます。
火打構面換算表には、「火打1本当りの負担面積」と「横架材のせい」の欄がありますので、
その当てはまる欄に火打構面の存在床倍率が載ってます。
手順さえ間違えなければ、計算せずとも値が出ますので比較的簡単です。
- 火打1本当りの負担面積=床区画の面積/火打の本数
- 火打が2つの異なる床区画にある場合は、0.5本ずつ算定する
火打構面換算表は省略致します。
▲TOP
床構面と火打構面を合計して存在床倍率を求める
水平構面の平均存在床倍率とは、「屋根」「床」「火打ち」の仕様による存在床倍率の合計です。
下図のように、1つの床区画のかなに異なる仕様の床倍率が存在する場合は、
まず、床構面の存在床倍率を求め、続いて火打構面の存在床倍率を求めます。
その、存在床倍率を合わせたものが、最終的な、その区画の平均存在床倍率となります。
- 水平構面の存在床倍率=屋根構面存在床倍率+床構面存在床倍率+火打構面存在床倍率
存在床倍率の合算例
|
床区画の平均存在床倍率=(f1×L1+f2×L2)/l |
+ |
L×l/4本と梁せいから選択した火打構面存在床倍率 |
床倍率の判定
最後に、地震力に多する必要床倍率と風圧力に対する必要床倍率より、平均存在床倍率が
大きいことを確認します。
- 耐震等級2を目標とする場合
- 平均存在床倍率≧地震力に対する等級2の必要床倍率
- 耐震等級3を目標とする場合
- 平均存在床倍率≧地震力に対する等級3の必要床倍率
- 耐風等級2を目標とする場合
- 平均存在床倍率≧風圧力に対する等級2の必要床倍率
NGの場合、火打を追加することで、床構面の強度を上げることができます。
方向や床区分に左右されないので、比較的簡単に強度を上げられるのが火打材のメリットです。
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